追い越していった車
大学時代の友人の話です。
下宿仲間とふたりで、ドライブに行ったときのこと。
深夜の時間帯になると、ほとんど走ってる車も見当たりません。
ドライブにも飽きて、ラーメンでも食べて帰ろうかという話になった頃。
凄い勢いで、追い越していった車がありました。
「危ねえなあ」
助手席の仲間が言うには、相手のドライバーは女だったといいます。
「どんな顔か見てやろうぜ」
友人はスピードをあげて、前の車を追いかけました。
ようやく追いつき、助手席の仲間が窓をバンバン叩きながら、「へいへいへい!」とドライバーの女を挑発しました。
その女がこちらに顔を向けたとき、顔の左側が血で真っ赤に染まっていたそうです。
女の車が走り去るのを見送ったあと、Uターンして来た道を戻っていると、事故現場に遭遇しました。
事故車両は、さっき追い越していったのと同じ車種でした。
翌日の新聞記事で、あの女のつぶれていない顔が見れたそうです。
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