日本全国の自治体にバルビツール酸系睡眠剤を備蓄する「日本国尊厳維持局」の正体
あなたは「日本国尊厳維持局」という社団法人をご存じだろうか?
「日本国尊厳維持局」とは、日本が敵国からの攻撃を受けるような有事の際を想定して1961年4月に作られた社団法人で、2016年に尊厳維持局が作ったとされる映像が流出したことで話題を呼んだ。
その映像は、北朝鮮からのミサイル攻撃を受けた際に流す放送の作りとなっており、日本全体にミサイルが着弾するという避難指示映像が出たあと、以下の文章が流れ始める。
『このフィルムは、日本国と諸外国との間で有事の事態が発生し
いかなる交渉攻防を行おうとも、情勢悪化を回避できず
なおかつ、平和的終結の見込みが著しく見込めない場合におけるとき
政府から発令される「最重篤的絶望事態宣言」の布告による、全日国民の最後の行動を示唆するものであります。』
「最重篤的絶望事態宣言」が布告された場合
『各自治体により、速やかにバルビツール酸系の睡眠剤が国内全世帯に送付される取り決めになっています
これは、非常に強力な睡眠剤です
わずか10ccの服用で3分で昏睡状態に陥り
5分で心臓がとまり
一切の心的苦痛を伴うことなく
極めて穏やかに死に至ります』『あなたの人生、誇り、魂、そして”日本人”として生きてきた事を留意し
いかなる勢力にも屈することなく――その時が訪れる前に……』
なんと、この映像は日本が敵国から攻撃を受け最悪負けてしまい、酷い扱いを受けてしまうような「想像し難い重篤な危機的状況」に陥った場合に自決できるよう、睡眠剤が送付されるというものだった。
にわかには信じがたい映像だが、2017年8月には北朝鮮のミサイルが日本の上空を通過し、Jアラートが発令されたことや、各国の情勢によっていつ有事が訪れるか分からないだけに、「もしかしたらいつか本当に流れるかもしれない」という恐怖を抱かせる。
この動画、実はフェイク動画である。
この動画は2016年にニコニコ動画で公開されたCMなどをパロディで制作された映像だった。確かによく見れば、文字の一部に不自然な字体が使用されていたり、日付の表記がおかしかったりと、言われてみれば「なるほどね」と納得のいくパロディ動画。もちろん、「日本国尊厳維持局」という政府組織も法人も存在しない。
この動画の元ネタはアメリカのクリエイター「Local58」がYoutubeで公開したものだと言われている。以下にその動画を埋め込んでおいたので、興味のある人は是非見てみてほしい。
米国の場合は、バルビツール酸系の睡眠剤を利用しての服毒を促すのではなく、「銃口を口の中の上」という表現で表されている。なんとも、銃社会のアメリカらしい表現だ。
この動画自体はパロディのフェイクだったが、本当に「パロディ」だと言って笑っていられるだろうか?
最近は疫病、蝗害、紛争、そして洪水など、私達に尊厳を迫る事柄には枚挙にいとまがないのだから。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません