ウソか真か?昔から語り継がれる都市伝説『畑を荒らすタコ』

 

夜中に蛸が畑に入り込んでは、大根や芋を盗んで海へ戻っていく!?

陸地を徘徊している海の生き物と言えば、海や川近くだと、カニなどはよく見かけますが、蛸が陸地を移動しているのを見たことありますか?
畑を荒らすのはサルやイノシシばかりでなく、昔は蛸が畑を荒らしていたそうです。
にわかに信じられない話ですが、実は同様な報告が全国であるそうです。

名古屋の地名に蛸畑というのがあります。
この地名は、蛸が畑に入り込んでは大根や芋を盗んでいくことから付けられたと言われています。
また青森県平内では、畑に蛸が入り込んでくるため、漁民より農家の人が多く蛸を採っていると言われています。
三浦半島では芋や大根ばかりでなく、スイカを食べられた、数匹の蛸が木に上って柿を食べていたという、にわかには信じられない話も伝わっているようです。

なぜ蛸は陸地に上がってくるのでしょう?

それは陸地にいるカニを狙って、海辺から上がってくる。
その際、イイダコなどはラッキョウを釣り餌に使うように、蛸は白いものを好むので、大根を餌と間違えて持ち去るのではないかとも言われています。

タコによる畑泥棒なんて、どうせ現代の都市伝説と侮るなかれ、与謝蕪村の俳句にこんなのがあります。

「石女(うまづめ)の蛸追ひうつや芋はたけ  蕪村」

畑に入り込んだ蛸を農家の人が、退治している様子を詠んだ句だそうです。

また、『尾張名所図会』の付録とも拾遺版とも言われる『小治田之真清水(おわりだのましみず)には畑を荒らしている蛸を見つけた通行人が驚いているという愉快図が記されているそうです。

どうやら、蛸が畑を荒らす話は昔からあるようです。

昨今の湾岸工事や防波堤で蛸が上陸しにくくなったことや、蛸は窒息よりも熱を嫌うため、舗装道路の太陽熱が原因で渡れなくなったのが、陸で蛸を見かけなくなった原因ではないかと言われています。

あなたは路上で蛸を拾ったら、やっぱりたこ焼きパーティーですか?