冷え込んだ夜の出来事
ひどく冷え込んだ夜のこと。
わたしはコタツに入ったまま眠っていました。
真夜中に、消したはずのテレビがついているのに気付きました。
― 寝返り打ったときに、リモコンに手が触れたかな? ―
わたしは手探りで、枕元にあるはずのリモコンを探しました。
見つかりませんでした。
「どうでもいいや」
ひどく眠かったわたしは、そのまま再び眠りにつきました。
翌朝、テレビが消えていました。
テレビのリモコンは、わたしが寝ていたコタツの反対側にありました。
― なんでこんなとこに?いつも枕元とか手の届くとこに置いてあるのに・・・ ―
窓を開けて外を見ると、雪が積もっていました。
― どうりで夕べは寒かったわけだ ―
玄関ドアを開けて見ると、雪はマンションの通路にまで吹き込んで積もっていました。
ドアの前に子供の足跡があるのに気付きました。
その足跡はわたしの部屋の玄関前で消えていました。
わたしの部屋のある7階から見渡すと、その足跡は民家の屋根を伝って、点々と玄関前まで続いていました。
― もしかして ―
裏へまわって、部屋の反対側のべランダに出て見ると、そこに足跡がありました。
見渡すと、やはり民家の屋根に歩き去った足跡が、点々と果てまで続いていました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません