バイトの電話

2020年6月7日

平日に空き時間が出来た。

時間を利用してジョギングでもしようかと考えているところに、

1時間か2時間程度のマンションの清掃のバイトすれば?いい運動になるし、お金も入るし」と知人が言った。

求人サイトで検索すると条件に合った求人がすぐに見つかった。

電話口にお婆さんが出てきた。

「○○3丁目のコーポ○○はわかりますか?小学校のすぐ北なんですが、その前にわたしいますので」

「スマホのアプリで検索して行きますので、すぐわかると思います」

携帯番号も交換して、翌日指定された場所へ向った。

待ち合わせ時間ぎりぎりになってもお婆さんは現れなかった。

さっきからマンションの前に乗用車が停まっている。

時間ちょうどになると携帯が鳴った。

携帯に出ると同時に車の中から、恰幅のいい男が携帯を耳にあてながら出てきた。

男は言った。

「○○さんですか?」

「はい、○○です」

男は驚いて言った、

「お婆さんが来るのかと思ってましたよ。男の方だったんですね。」

「わたしもてっきり電話に出られたお婆さんが来るものだと思ってました。」

男は急に怪訝な顔をして言った。

「電話に出たのはわたしです」

男は続けた、

「わたしもお婆さんから電話を受けたのですが?」