体育館の天井
高校の時の話。
そろそろ学校の閉門時間という時に、ひとりで体育館の天井に向ってボールを投げつけてる人がいました。
天井に引っかかったバレーボールを、取ろうとしていました。
わたしもそれに参加しました。
ふたりでボールを天井に向って投げました。
ふたつみっつとボールが落ちてきました。
残りひとつがどうしても落ちてきません。
天井の鉄筋にしっかりとはまり込んでしまっているようで、ボールをぶつけても微動だにしません。
「おお、もうちょい」
「おしい」
お互い時間を忘れて夢中になっていたその時、
「おーい、門閉めるぞー。片付けて帰れー」
と見回りに来た人から声がかかりました。
時間切れです。
帰らなければなりません。
わたしたちは続きはまた今度と話し合い、ボールを片付けて体育館を出ようとしたとき、
「あははははは」
突然、館内に笑い声が響きました。
天井を見上げると、鉄筋にはまり込んだ白い顔がこちらを見下ろして、けたたましく笑っていました。
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