校庭の影

それは小学生の時。

放課後に居残りで絵を描いていたときのこと。

わたしは手を休め、自分の教室のある3階の窓から校庭を眺めていました。

 

児童たちが放課後の校庭で遊んでいました。

ソフトボールをするもの、ドッヂボールをするもの。

そんな様子を眺めていると、校庭で遊ぶ児童とは違う動きをする影に気付きました。

 

それは校庭に伸びた校舎の影の、ちょうど屋上にあたる部分にある人影でした。

 

― 屋上に人がいるのか? ―

 

最初ひとつだった影は、やがてふたつみっつと増えていき、それぞれが走り回ったり飛び跳ねたりしています。

 

校庭で遊んでいる子たちも気づき、動き回る影をただ呆然と見つめるもの、無邪気に影を追いかけるものも出始めました。

 

わたしはすぐそばの屋上に抜ける階段を上がって、様子を見に行きましたが、そこはいつものように扉が閉められ錠前がしっかりされていました。

「おーい誰だそこにいるのは?」と声を掛けるも返事はなく、屋上の扉のガラス越しに見ても、人の姿はありません。

 

一旦空が曇って、再びそこに光が射したときには、その人影はすっかり消えていました。

 

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