電車ごっこ

買い物に出かける際、家から幼い娘がいなくなっていることに気付いた。

近くの公園を覗くと娘がいた。

お友達と4人で電車ごっこをしていた。

わたしはスーパーのすぐ近所ということもあって、そのままにして買い物に出かけた。

 

ほんの数分で買い物を済まし公園に立ち寄ると、娘はひとりだった。

 

「さっき一緒に遊んでた子は誰だったの?」

「アタエって言ってた」

與(アタエ)さんと言えば、面識がある程度でしかない。

かなり珍しい苗字でこの辺りにはその一軒しかなく、いつも家の前を通りかかるときに表札を見ては珍しい苗字だなぁと気になっていた。

読み方がアタエと知ったのもつい最近だ。

あとのふたりは知らない子だという。

「一緒にあそぼ」と声を掛けると一旦仲間に入れてくれたが、

公園を半周しただけで、連れて行けないと娘だけ降ろして、電車ごっこのまま公園から出て行ったのだと言う。

 

翌日、そのアタエさんの家の前を通ると、お通夜の準備がされていた。

幼い男の子が病気で亡くなったという。

電車ごっこのあとのふたりは誰なのかわからないままだ。