雨漏りする訳

大学への進学が決まって、部屋探しに行ったときの事。

その日は雨でした。

大学の近くで安ければどこでもいいと考えていました。

雨も降っていることもあって、さっさと決めてしまおうと安易にも考えていました。

大学の下宿紹介コーナーで、正門からすぐ目と鼻の先の下宿を探し出し、そこへ向いました。

そこは4部屋ほどある平屋棟が二棟並んでいるところでした。

押入れは2段になっているところと、その横に洋服ダンスが収納できるようなスペースがありました。

そのスペースで雨漏りしていました。

大家さんによれば、何度修理しても雨漏りするのそうだ。

「今度は絶対雨漏りしないよう、丈夫に作るよう修理屋に言ってあるから」

と大家さんは言いました。

大家さんが席を外すと、入れ替わりにひとりの下宿生がやってきました。

彼は「これは大家さんは知らないことだけど・・・」と話をしてくれました。

実はあの部屋の下宿生は皆なぜか自分の意思とは関係なく、首吊り自殺を図るのだそうだ。

いままで資材がもろくて壊れてしまっていたため失敗に終わっていたそうで、それが雨漏りの原因なのだと言いました。

「首吊ろうとしたなんて大家さんには言えないだろ」

わたしは「他の物件も見てみたいので」などと適当なことを言って、その下宿を後にしました。

わたしの時に、首吊り成功するのは勘弁ですから。