らせん階段
ある時、友人がこんな話をしました。
友人は12階建てのマンションの3階に住んでいます。
普段はエレベーターを使うのですが、エレベーターが上層の階で止まっている時は、階段を使うのだそうです。
エレベーター横の鉄扉を開けるとらせん階段になっていて、そこを上り下りするのです。
友人がそのらせん階段を降りていたときの事です。
階段を降りはじめるとすぐ、
カンカンカンと凄い勢いで降りてくる靴音がしました。そうとう急いでいるようです。
階段の幅は狭いので、
― 早く降りないと邪魔になってしまう ―
と思った友人は、早足で降りました。
1階に降り立ちドアを開けて、見上げながら相手を待ちました。
するとらせん階段の隙間から見えてきたのは、血の気の無い腰から下だけの、下半身だけの物体でした。
異様さに気付いた友人はすぐに扉を閉め、その場から離れたそうです。
「ところでさあ・・・」
友人は改まって切り出しました。
「今から、そこに行かない?」
困惑しているわたしに友人は続けました。
「2対2分の1なら、勝てると思うんだけど」
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