コラッ!
これは小学生の頃の出来事です。
狭い路地で年長の男の子が得意気に言いました。
「こんなんできるか?」
彼は両サイドの壁に両手両足を突っ張らせて、レンジャー部隊みたいな要領で壁をするすると軽快に登りはじめました。
3階の高さまできたところで、突然、窓がガラッと開き、住人が顔を出して、
「コラッ!」
と怒鳴りました。
男の子は真っ青な顔をして下りてきました。
その一連の様子が可笑しくて、わたしは爆笑しながら彼が下りてくるのを待っていました。
「そんなん、ようやらんわぁ」
と腹を抱えて大笑いするわたしに、彼は血の気の引いた顔で言いました。
「下からは見えへんかったやろうけど・・・さっきの人、腰から下が無かった」
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません