「すぐそこに」

アパートで一人暮らしをしている女性K子の部屋に、友人のI子が泊まりに来たときの話。

久々に会った二人は仕事の話や恋愛の話など互いの近況を語り合い、深夜まで会話が弾んだ。
そして午前1時を過ぎた頃、仕事で朝が早い二人は就寝することにした。
K子の部屋にはシングルベッドしかなかったので、横に布団を一枚敷き、I子はそこで眠ることに。

「じゃあ、おやすみ」

そう言ってK子が電気を消そうとした瞬間、I子が突然「コンビニ!」と言葉を発した。

「コンビニで買うものがあったの忘れてた、一緒に行こう?」

そう言ってI子は寝ようとしていたK子をコンビニに誘い出す。
K子は眠気もあって断るが、I子は「深夜に一人で行くのは怖いし、ついてきて!」と、強く誘う。
根負けしたK子は、渋々パジャマのまま部屋を出てI子と一緒に近所のコンビニに出かけた。
ふとI子の横顔を見ると、彼女の顔は恐怖に満ち、それを必死に我慢しているような表情をしていた。
不思議に感じたK子は、I子にどうしたのかと訪ねる。
すると…

「寝る時、K子が電気を消そうとして私も横になろうとした瞬間、ベッドの下に包丁を持った人の手が一瞬見えた」