ガハハ

2020年6月7日

職場でパソコン作業をしていると、背後でたまに「ガハハ」と笑い声がする時がありました。

皆、気にもしないで作業していました。

ある時、休憩室での仲間との話題も尽きたときに、

「時々、ガハハって後ろで下品な笑い声がするんだけど、あれ誰なの?」

と聞いてみました。

「ああそれ、俺もときどき聞く」

「誰かがサイトでも見てるのか、笑ってるよね」

などと、誰の笑い声かはっきりしません。

ふと、わたしはトイレに立ちました。

用を済まして手を洗っていると、鏡越しに清掃の作業服姿のおじさんが背後を通りすぎるのが見えました。

振り返ると、そこには誰もいませんでした。

さっき見たのは錯覚かと、わたしがその場でキョトンとしていると、

「ガハハ」

とトイレに笑い声が響きました。

わたしは休憩室にとんで帰ると、そのことを皆に話しました。

この建物が出来たばかりの頃に亡くなった、掃除作業員の霊だろうという話になりました。

そしてその霊にあだ名が付けられました。

『レレレの霊』と。