8月に起きた凄惨な事件 ―闇サイト事件―

2020年9月10日

今から13年前の2007年8月24日午後23時頃、愛知県名古屋市の住宅街路上で帰宅途中だった会社員女性のiさんを男性3人が車で拉致し殺害、山中に遺体を遺棄した強盗殺人・死体遺棄事件。

犯人である男性3人は当時インターネット上に存在していた「闇の職業安定所(闇サイト)」という所で知り合い犯行に及んだことから闇サイト事件とも言われている。

そして、被害者1人に対して2人(内1人はこの事件+別件逮捕により)の死刑判決を出すという稀な事件でもあった。

闇サイトといえば、今であればダークウェブというTorブラウザなどを使わないと閲覧できないサイトが有名であるが、20年ほど前は誰でも閲覧することの出来る「闇の職業安定所」という闇サイトが存在していた。

窃盗や強盗その他諸々の犯罪で金銭を得ることを目的に仲間を募ることができ、当事件の男性3人も金銭目的で出会った。

そしてOL女性のクレジットカードを狙いiさんを車で拉致すると、暗証番号を聞いたあと手で首を絞め殺害を図った。
しかし、まだ息があることが分かると今度は女性の頭部をハンマーで5回強打し、それでも絶命しないiさんの首にロープを巻き二人がかりで絞めた。

だがそれも上手くいかず、今度はiさんの顔にガムテープを31周巻きつけるハンマーで30発以上振りおろし絶命させるという凄惨な犯行に及んだ。

父親を病気で亡くし、母親と二人暮らしをしていたiさんは母親にマイホームを買ってあげるために貯めていた800万円を守ろうと、男性3人に拉致され恐怖で震える中「2960(憎むわ)」という偽の番号を伝え、犯人からマイホーム資金を守ることが出来た。

だが彼女の母親は、娘を悲惨な死に追いやった犯人全てに死刑判決が下されず、被告人の権利・更生は考慮され、被害者家族の立場・負担は軽視されるという司法制度に強い疑念を持ち、犯罪被害者の権利確立などを訴え今も戦い続けている。

「娘は虫けらのように殺された」闇サイト殺人事件の遺族が3人の死刑を求めた理由
https://www.jiji.com/jc/bunshun?id=39176

闇サイト殺人事件 磯谷利恵