第二部
ゾンビ型原種の感染経路と発生の可能性
参照記事:ゾンビに襲われたらどうする?生き残るための知識と対策【第一部】
1 ゾンビ型原種の正体とは?
まず、ゾンビ化を引き起こす未知の病原体を、ここでは【ゾンビ型原種】と呼ぶことにします。
ゾンビ型原種が未知の病原体である以上、それが細菌なのか、ウイルスなのか、あるいは既知のものとは異なる性質を持つ何かなのか、現時点ではわかりません。
細菌とウイルスでは、構造や増殖の仕組みが異なります。
例えば細菌には抗菌薬が有効な場合がありますが、ウイルスには基本的に抗菌薬が効きません。
また感染を防ぐための対策も、病原体の種類や感染経路によって異なります。
つまりゾンビ型原種の正体がわからなければ、有効な治療法や適切な感染対策を判断することも難しいのです。
では、この未知の病原体は、どのように人から人へと感染を広げていくのでしょうか。
2 ゾンビはどのように感染を広げるのか
プロローグでは死亡しているように見えた男性が突然動き出し、近くにいた人に噛みついています。
その後、噛まれた人々にも異変が生じ、さらに周囲へと被害が広がっていきました。
この描写から考えられる感染経路の一つが、噛みつきによる感染です。
注目したいのはそれだけではありません。
プロローグでは助けようとした人の手や、逃げ惑う人の衣類にも血液が付着していました。
そして血液に触れた人々にも、その部位から異変が現れ始めたと描写されています。
もしこの現象がゾンビ型原種によって引き起こされたものだとすれば、感染経路は噛みつきだけではない可能性があります。
例えば、感染性を持つ血液や体液が傷口や粘膜などを通じて体内に侵入することで感染が成立する、という仮説です。
もちろん血液が衣類や健康な皮膚に付着しただけで感染するとは限りません。
現実の感染症でも、病原体の種類や曝露した部位によって感染リスクは異なります。
しかし未知の病原体である以上、感染経路が明らかになるまでは噛みつきだけでなく血液や体液への接触にも警戒する必要があるでしょう。
3 死者も新たな感染源になるのか
もうひとつ、今回の現象で重要なのが死亡しているように見えた人間が突然動き出したという点です。
現実の医学では、人の死は医学的な判断に基づいて確認されます。
また死後に身体が動くことがあったとしても、それは生命活動が回復したことを意味するわけではありません。
しかし今回のゾンビ型原種は死亡しているように見えた人間を再び動かし、他者に襲いかからせるという、通常の感染症では説明できない現象を引き起こしています。
そこで今回は、ゾンビ型原種が死亡した人間に作用し、その身体をゾンビへと変化させるという仮説を立てます。
さらにゾンビ化した者の血液や体液にも感染性が維持されているとすれば、噛みつきだけでなく血液や体液を介しても感染が広がるという現象を説明できます。
ゾンビ型原種がどこから発生したのかは、現時点ではわかりません。
今回の考察の対象はゾンビから死者あるいは人間への感染に限定し、一体の親ゾンビを起点として感染が拡大していったものと仮定します。
動物などを介した感染経路については、ここでは考慮しません。
ここまでの考察から、ゾンビ型原種は人間に感染し、感染者をゾンビへと変化させることで新たな感染源を生み出していく可能性があると考えられます。
では、もし私たち自身がゾンビ型原種に感染してしまったら…
身体にはどのような変化が起こるのでしょうか。
次の第三部では、ゾンビ化によって人間の身体に何が起こるのかを考えていきましょう。